尾張国
尾張国
尾張国(おわりのくに)は、日本のかつての地方行政区分である令制国の一つで、東海道の西部に位置する。現在の愛知県西部に相当する。尾州(びしゅう)と呼ぶこともある。延喜式での格は上国、近国。7世紀後半以前は、木簡などから、尾治国と表記した。また、先代旧事本紀の天孫本紀の尾張氏の系譜にも、尾治とある。
室町時代以降では北隣の美濃国とは木曽川を国境とした。この点で現在の愛知県と岐阜県の県境と同じだが、当時の木曽川は今より北を流れていたため、尾張国は愛知県よりは北に広かった。
木曽川は、豊臣政権時代の天正14年 (1586年) に氾濫してほぼ現在と同じ流路を流れるようになった。 現在の木曽川は岐阜県羽島郡笠松町付近まで西に流れ、そこから南に流れの向きを変えているが、天正14(1586)年6月24日のいわゆる「天正の大洪水」以前はさらに西に流れ、墨俣(現在の大垣市墨俣町)付近で長良川と合流していた。現在の境川が木曽川の旧流とされている。 「天正の大洪水」によって葉栗郡と中島郡が新しい木曽川によって分断され、新流西岸は美濃国に編入された。そのため、愛知県側と岐阜県側に同じ地名が今もいくつか残る(例:愛知県一宮市東加賀野井と岐阜県羽島市下中町加賀野井)
愛知県西部にありながらずっと尾張国に属さなかった地区に、現在の稲沢市祖父江町の一部、一宮市東加賀野井、一宮市西中野などがある。これは令制国の廃止後に、市町村の境界変遷で所属する県が移ったものである。